2018年9月23日(日)彼岸法要が行われました。
今年は札幌市薬王寺ご住職の田中清元老師をお迎えし、ありがたいお話しを伺いました。
田中清元老師は、曹洞宗の宗門だけでなく様々な分野において広く知られている方で、全国各地だけでなく世界を舞台に講演を行い、各法要の重要な役割で御出席されたり、両大本山での講師として招かれるなど、著名な方でいらっしゃいます。
そのような素晴らしい方に遠路はるばる宮崎・延岡市の台雲寺までご足労戴けましたのはとても幸運なことで、また、当山開山400年祭の際に導師でお越し頂いた大本山總持寺の監院・乙川暎元老師の御友人でもあられる事、当山の総代のお一人が田中老師の大学時代の後輩とあって、並々ならぬご縁を感じておりました。
札幌市薬王寺 田中清元老師
お話し:(大まかな内容)
「親、そのまた上の親、そのずっと先の親からつながってきた大切な命の縁があります。私たちは一つの尊い命を頂きました。私は94歳になる母が健在ですが、今でも『お前は……』と呼ばれ、私はいつまでたっても母にとってみれば子どもです。この親子の縁、命の縁をしっかりと考え、大切にしなければなりません。
お釈迦様の教えをお弟子さんたちが後世に伝えるために経本を残されました。伝えられたお話しには、お釈迦様がお生まれになった時のこと、『天上天下唯我独尊』というお言葉を話されたことがあります。これは『みんなかけがえのない大切な存在である。尊い命である』という意味です。
そして仏教用語には『四苦八苦』という言葉があります。『四苦』とは、『無常である、常なるものはない』という時間の流れであり、生まれることから死ぬまでの時間の流れに置いて、自分が授かった命の尊さと向き合い、真剣に生きていかなければならない、ということなのです。さらに、大切に思う家族との別れ、求めることが手に入らないという苦しみなどの『四苦』を足したもので『八苦』といいます。この命の尊さに今一度しっかりと向き合って頂き、人生を大切に生きて欲しいと願います」