2025年大般若会(だいはんにゃえ)が行われました

2025年6月1日(日)、台雲寺の本堂にて延岡市・日向市から8名の和尚様ご随喜いただき、大般若会(だいはんにゃえ)が厳修されました。

「大般若会」とは、「大般若経」を読む法要で、「会」とは「法要のことを指します。

大般若経は、正しくは「大般若波羅蜜多経」といい、「西遊記」のモデルとなった三蔵法師(玄奘三蔵)がインドから持ち帰った有難いお経です。三蔵法師は生涯をかけて翻訳し、その量は約500万字、600巻という膨大さです。

600巻を全て一日で読み上げることはできないため、「転読」という方法を行います。お経本を豪快に開き、パラパラと風を起こしながらお経の一部を読むことで、大般若経全体を読み上げた形を取ります。

一般的にお正月に行われ、無病息災、家内安全など、幸せで平穏な生活を祈願しますが、当山では、毎年6月の第一日曜日の10時から行います。今年も参拝された方々の平和で幸せな日々を祈願させていただきました。

【お説教師】延岡市 願成寺 佐藤直哉 ご住職

お説教では、和訓の摩訶般若波羅蜜多心経(橋下恵光老子和訳)を紹介され、般若心経の内容や意味をわかりやすく説かれました。

また、高杉晋作と野村望東尼(のむらぼうとうに)の「おもしろき事もなき世をおもしろく、住み成(な)すものは心なりけり(「面白くない世の中でも、自分の心の持ちようで面白く過ごすことができる)」という意味合いの言葉をあげ、人生は嬉しいことや楽しいこぼばかりではなく、辛く苦しく悲しいこともあるが、後々にそれを乗り越えた自分の成長に繋がるのであれば、それは振り返るとプラスな要素であったと感じられるようになる、自分の物差しで物事を計るのではなく、般若心経にある「色即是空(全てのものは空である、つまり差別や区別はない)」という言葉のように、物事を自分勝手に区別するのではなく、柔軟な心でプラスに捉え、プラスの多い、つまり幸多い人生にしましょう、

とお話いただきました。

毎朝お仏壇の前で般若心経を唱えると話す檀家さまから、「日常的に読んでいるのに、意味を知らなかった。とても印象深く残り、明日からは違う心持ちでお経を唱えます」と感想をいただきました。